失われた3つの杯

残りの2つを握りしめて

母とターシャ

こんにちは。蓮花(れんか)です。

私が園芸好きなのは、間違いなく母の影響です。

母からの影響は多方面に渡る

ひとり娘でしたからね。読書…手芸…料理…園芸…あらゆることに母からの影響をうけました。その中でも、最初の影響が読書だったかもしれません。

赤毛のアン

母の少女時代のバイブルだそうです。

薦められて私も読みました。物語の舞台になったプリンス・エドワード島の、自然の描写にため息をつきました。思えばここが私の草花への憧れの入り口だったかも。

あしながおじさん

私自身はこちらにハマりました。

作者は違いますが、主人公の境遇が『赤毛のアン』と似ています。主人公ジュディの明るいキャラクターもさることながら、後半で経験する農場生活に、とても惹かれました。自分で育てた農作物で暮らすのって素敵、と思いました。

植物への憧れ

母も私も、物語を通じて「緑のある生活への憧れ」の萌芽を育んでいたのかもしれません。集合住宅住まいでしたが、ベランダはいつも母の育てた花や植物が並んでいました。

独り暮らし

私が実家を出ると、母は独り暮らしになりました。やはり集合住宅に住んでいましたが、ベランダには緑がいっぱい。この頃にはハーブや小さな野菜を育てていました。

母が病気になりました

多発性骨髄腫という病気です。余命5年と言われました。最後の数か月は入院生活でしたが、それまでは抗がん剤治療の時だけ入院しあとは通院、というサイクルで過ごしていました。骨の病気なのでかがむのが辛いらしく、鉢の数は減りましたが(下に置いた鉢には手が届かないので)、それでもガーデニングを楽しんでいました。

最初の入院は外科手術もあったので、半年ほどの長期にわたりました。夏のことだったので、母のベランダからミニトマトを預かりました。私自身もハーブを育てていましたが、野菜は初めてのことで、色々と本を読み漁りました。

最後の入院の日

外来のつもりで母を病院に送り届けたら、そのまま入院になった日のこと。骨の状態がそうとう悪くなっていたらしく、自宅での生活は危険と判断された為です。

私だけ母の家に向かい入院の荷物をまとめながら、これが最後の入院になるのかもしれないなぁ…とぼんやりと思いました。

何か読みたい本があるかと聞きましたが、骨が弱っているので「本を持つことができない」とのこと。それでも側に置いておきたい本として、母はターシャ・テューダーを選びました。

手に取ってページをめくらなくても、表紙の写真だけでも見ていると癒されるから、とのことでした。

葬儀の後

独居老人の家の片づけは、それはそれは大変です。母は「モノを捨てられない」タイプで、もう使わないモノ達が一分の隙も無く家中に収納されていました。この気質も私は受け継いでしまってるのが厄介なのですが…

その中で発見したのがこの本でした。

他にも、大量の韓流ドラマを録画したビデオテープ、韓流スターの写真集が見つかりました。母は闘病生活の辛さを韓流スターに癒してもらい、避けられない「これから進む道」への心の準備にはターシャの助けを借りていたのだな、と思いました。自分の好きなことを突き詰めて生涯を終えた、私の母でした。棺には、ターシャと赤毛のアンと韓流写真集を一緒に入れました。(ビデオテープは燃やしてはいけないと葬儀会社の方からNG)

ちょっと湿っぽい話になってしまって恐縮です。でも、私と植物の関わりに於いて欠かせないのが「母からの影響」であり、最後に発見したターシャの本なのです。

私にも「ガーデニングの憧れの人」がいます。

renka-lotusflower.hatenablog.com

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それではまたね‥蓮花(れんか)